白石忠志    SHIRAISHI Tadashi 

景表法

(平成26年6月改正施行時(平成26年12月1日)に施行されていた景表法に平成26年11月改正を溶け込ませたもの)

 

目次
第一章 総則(第一条―第三条)
第二章 景品類及び表示に関する規制
 第一節 景品類の制限及び禁止並びに不当な表示の禁止(第四条―第六条)
 第二節 措置命令(第七条)
 第三節 課徴金(第八条―第二十五条)
 第四節 景品類の提供及び表示の管理上の措置(第二十六条―第二十八条)
 第五節 報告の徴収及び立入検査等(第二十九条)
第三章 適格消費者団体の差止請求権等(第三十条)
第四章 協定又は規約(第三十一条・第三十二条)
第五章 雑則(第三十三条―第三十五条)
第六章 罰則(第三十六条―第四十一条)
附則

第一章 総則

(目的)
第一条 この法律は、商品及び役務の取引に関連する不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止するため、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為の制限及び禁止について定めることにより、一般消費者の利益を保護することを目的とする。

(定義)
第二条 この法律で「事業者」とは、商業、工業、金融業その他の事業を行う者をいい、当該事業を行う者の利益のためにする行為を行う役員、従業員、代理人その他の者は、次項及び第三十一条の規定の適用については、これを当該事業者とみなす。
2 この法律で「事業者団体」とは、事業者としての共通の利益を増進することを主たる目的とする二以上の事業者の結合体又はその連合体をいい、次に掲げる形態のものを含む。ただし、二以上の事業者の結合体又はその連合体であつて、資本又は構成事業者(事業者団体の構成員である事業者をいう。第四十条において同じ。)の出資を有し、営利を目的として商業、工業、金融業その他の事業を営むことを主たる目的とし、かつ、現にその事業を営んでいるものを含まないものとする。
一 二以上の事業者が社員(社員に準ずるものを含む。)である一般社団法人その他の社団
二 二以上の事業者が理事又は管理人の任免、業務の執行又はその存立を支配している一般財団法人その他の財団
三 二以上の事業者を組合員とする組合又は契約による二以上の事業者の結合体
3 この法律で「景品類」とは、顧客を誘引するための手段として、その方法が直接的であるか間接的であるかを問わず、くじの方法によるかどうかを問わず、事業者が自己の供給する商品又は役務の取引(不動産に関する取引を含む。以下同じ。)に付随して相手方に提供する物品、金銭その他の経済上の利益であつて、内閣総理大臣が指定するものをいう。
4 この法律で「表示」とは、顧客を誘引するための手段として、事業者が自己の供給する商品又は役務の内容又は取引条件その他これらの取引に関する事項について行う広告その他の表示であつて、内閣総理大臣が指定するものをいう。

(景品類及び表示の指定に関する公聴会等及び告示)
第三条 内閣総理大臣は、前条第三項若しくは第四項の規定による指定をし、又はその変更若しくは廃止をしようとするときは、内閣府令で定めるところにより、公聴会を開き、関係事業者及び一般の意見を求めるとともに、消費者委員会の意見を聴かなければならない。
2 前項に規定する指定並びにその変更及び廃止は、告示によつて行うものとする。

第二章 景品類及び表示に関する規制

 第一節 景品類の制限及び禁止並びに不当な表示の禁止

(景品類の制限及び禁止)
第四条〔十一月改正前第三条〕 内閣総理大臣は、不当な顧客の誘引を防止し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を確保するため必要があると認めるときは、景品類の価額の最高額若しくは総額、種類若しくは提供の方法その他景品類の提供に関する事項を制限し、又は景品類の提供を禁止することができる。

(不当な表示の禁止)
第五条〔十一月改正前第四条〕 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。
一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの
二 商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの
三 前二号に掲げるもののほか、商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認めて内閣総理大臣が指定するもの

(景品類の制限及び禁止並びに不当な表示の禁止に係る指定に関する公聴会等及び告示)
第六条〔十一月改正前第五条〕 内閣総理大臣は、第四条の規定による制限若しくは禁止若しくは前条第三号の規定による指定をし、又はこれらの変更若しくは廃止をしようとするときは、内閣府令で定めるところにより、公聴会を開き、関係事業者及び一般の意見を求めるとともに、消費者委員会の意見を聴かなければならない。
2 前項に規定する制限及び禁止並びに指定並びにこれらの変更及び廃止は、告示によつて行うものとする。

 第二節 措置命令

第七条〔十一月改正前第六条〕 内閣総理大臣は、第四条の規定による制限若しくは禁止又は第五条の規定に違反する行為があるときは、当該事業者に対し、その行為の差止め若しくはその行為が再び行われることを防止するために必要な事項又はこれらの実施に関連する公示その他必要な事項を命ずることができる。その命令は、当該違反行為が既になくなつている場合においても、次に掲げる者に対し、することができる。
一 当該違反行為をした事業者
二 当該違反行為をした事業者が法人である場合において、当該法人が合併により消滅したときにおける合併後存続し、又は合併により設立された法人
三 当該違反行為をした事業者が法人である場合において、当該法人から分割により当該違反行為に係る事業の全部又は一部を承継した法人
四 当該違反行為をした事業者から当該違反行為に係る事業の全部又は一部を譲り受けた事業者
2 内閣総理大臣は、前項の規定による命令に関し、事業者がした表示が第五条第一号に該当するか否かを判断するため必要があると認めるときは、当該表示をした事業者に対し、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。この場合において、当該事業者が当該資料を提出しないときは、同項の規定の適用については、当該表示は同号に該当する表示とみなす。

 第三節 課徴金

(課徴金納付命令)
第八条 事業者が、第五条の規定に違反する行為(同条第三号に該当する表示に係るものを除く。以下「課徴金対象行為」という。)をしたときは、内閣総理大臣は、当該事業者に対し、当該課徴金対象行為に係る課徴金対象期間に取引をした当該課徴金対象行為に係る商品又は役務の政令で定める方法により算定した売上額に百分の三を乗じて得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならない。ただし、当該事業者が当該課徴金対象行為をした期間を通じて当該課徴金対象行為に係る表示が次の各号のいずれかに該当することを知らず、かつ、知らないことにつき相当の注意を怠つた者でないと認められるとき、又はその額が百五十万円未満であるときは、その納付を命ずることができない。
一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、実際のものよりも著しく優良であること又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であることを示す表示
二 商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のものよりも取引の相手方に著しく有利であること又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であることを示す表示
2 前項に規定する「課徴金対象期間」とは、課徴金対象行為をした期間(課徴金対象行為をやめた後そのやめた日から六月を経過する日(同日前に、当該事業者が当該課徴金対象行為に係る表示が不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれを解消するための措置として内閣府令で定める措置をとつたときは、その日)までの間に当該事業者が当該課徴金対象行為に係る商品又は役務の取引をしたときは、当該課徴金対象行為をやめてから最後に当該取引をした日までの期間を加えた期間とし、当該期間が三年を超えるときは、当該期間の末日から遡つて三年間とする。)をいう。
3 内閣総理大臣は、第一項の規定による命令(以下「課徴金納付命令」という。)に関し、事業者がした表示が第五条第一号に該当するか否かを判断するため必要があると認めるときは、当該表示をした事業者に対し、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。この場合において、当該事業者が当該資料を提出しないときは、同項の規定の適用については、当該表示は同号に該当する表示と推定する。

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平成20年改正案(第169回国会閣法第73号)における課徴金の条文

(課徴金納付命令)
第六条の二 事業者が、第四条第一項の規定に違反する行為(同項第一号又は第二号に該当するものに限る。)をしたときは、公正取引委員会は、当該事業者に対し、当該行為をした日から当該行為に係る表示が不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがあると認められなくなる日までの期間(当該期間が三年を超えるときは、当該行為に係る表示が不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがあると認められなくなる日からさかのぼつて三年間とする。)における当該商品又は役務の政令で定める方法により算定した売上額に百分の三を乗じて得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならない。ただし、当該事業者が当該行為をした日から当該行為がなくなる日までの全期間において当該行為に係る表示が次の各号のいずれかに該当することを知らず、かつ、知らないことにつき相当の注意を著しく怠つた者でないと認められるとき、又はその額が三百万円未満であるときは、その納付を命ずることができない。
一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、実際のものよりも著しく優良であること又は事実に相違して当該事業者と競争関係にある他の事業者に係るものよりも著しく優良であることを示す表示
二 商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のものよりも取引の相手方に著しく有利であること又は事実と相違して当該事業者と競争関係にある他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であることを示す表示
〔第二項・第三項は略〕

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課徴金関係の経過措置

不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律(平成二十六年十一月二十七日法律第百十八号)

附則

(経過措置)
第二条 この法律による改正後の不当景品類及び不当表示防止法(以下「新法」という。)第二章第三節の規定は、この法律の施行の日(附則第七条において「施行日」という。)以後に行われた新法第八条第一項に規定する課徴金対象行為について適用する。

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(課徴金対象行為に該当する事実の報告による課徴金の額の減額)
第九条 前条第一項の場合において、内閣総理大臣は、当該事業者が課徴金対象行為に該当する事実を内閣府令で定めるところにより内閣総理大臣に報告したときは、同項の規定により計算した課徴金の額に百分の五十を乗じて得た額を当該課徴金の額から減額するものとする。ただし、その報告が、当該課徴金対象行為についての調査があつたことにより当該課徴金対象行為について課徴金納付命令があるべきことを予知してされたものであるときは、この限りでない。

(返金措置の実施による課徴金の額の減額等)
第十条 第十五条第一項の規定による通知を受けた者は、第八条第二項に規定する課徴金対象期間において当該商品又は役務の取引を行つた一般消費者であつて政令で定めるところにより特定されているものからの申出があつた場合に、当該申出をした一般消費者の取引に係る商品又は役務の政令で定める方法により算定した購入額に百分の三を乗じて得た額以上の金銭を交付する措置(以下この条及び次条において「返金措置」という。)を実施しようとするときは、内閣府令で定めるところにより、その実施しようとする返金措置(以下この条において「実施予定返金措置」という。)に関する計画(以下この条において「実施予定返金措置計画」という。)を作成し、これを第十五条第一項に規定する弁明書の提出期限までに内閣総理大臣に提出して、その認定を受けることができる。
2 実施予定返金措置計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 実施予定返金措置の内容及び実施期間
二 実施予定返金措置の対象となる者が当該実施予定返金措置の内容を把握するための周知の方法に関する事項
三 実施予定返金措置の実施に必要な資金の額及びその調達方法
3 実施予定返金措置計画には、第一項の認定の申請前に既に実施した返金措置の対象となつた者の氏名又は名称、その者に対して交付した金銭の額及びその計算方法その他の当該申請前に実施した返金措置に関する事項として内閣府令で定めるものを記載することができる。
4 第一項の認定の申請をした者は、当該申請後これに対する処分を受けるまでの間に返金措置を実施したときは、遅滞なく、内閣府令で定めるところにより、当該返金措置の対象となつた者の氏名又は名称、その者に対して交付した金銭の額及びその計算方法その他の当該返金措置に関する事項として内閣府令で定めるものについて、内閣総理大臣に報告しなければならない。
5 内閣総理大臣は、第一項の認定の申請があつた場合において、その実施予定返金措置計画が次の各号のいずれにも適合すると認める場合でなければ、その認定をしてはならない。
一 当該実施予定返金措置計画に係る実施予定返金措置が円滑かつ確実に実施されると見込まれるものであること。
二 当該実施予定返金措置計画に係る実施予定返金措置の対象となる者(当該実施予定返金措置計画に第三項に規定する事項が記載されている場合又は前項の規定による報告がされている場合にあつては、当該記載又は報告に係る返金措置が実施された者を含む。)のうち特定の者について不当に差別的でないものであること。
三 当該実施予定返金措置計画に記載されている第二項第一号に規定する実施期間が、当該課徴金対象行為による一般消費者の被害の回復を促進するため相当と認められる期間として内閣府令で定める期間内に終了するものであること。
6 第一項の認定を受けた者(以下この条及び次条において「認定事業者」という。)は、当該認定に係る実施予定返金措置計画を変更しようとするときは、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣の認定を受けなければならない。
7 第五項の規定は、前項の認定について準用する。
8 内閣総理大臣は、認定事業者による返金措置が第一項の認定を受けた実施予定返金措置計画(第六項の規定による変更の認定があつたときは、その変更後のもの。次条第一項及び第二項において「認定実施予定返金措置計画」という。)に適合して実施されていないと認めるときは、第一項の認定(第六項の規定による変更の認定を含む。次項及び第十項ただし書において単に「認定」という。)を取り消さなければならない。
9 内閣総理大臣は、認定をしたとき又は前項の規定により認定を取り消したときは、速やかに、これらの処分の対象者に対し、文書をもつてその旨を通知するものとする。
10 内閣総理大臣は、第一項の認定をしたときは、第八条第一項の規定にかかわらず、次条第一項に規定する報告の期限までの間は、認定事業者に対し、課徴金の納付を命ずることができない。ただし、第八項の規定により認定を取り消した場合には、この限りでない。


第十一条 認定事業者(前条第八項の規定により同条第一項の認定(同条第六項の規定による変更の認定を含む。)を取り消されたものを除く。第三項において同じ。)は、同条第一項の認定後に実施された認定実施予定返金措置計画に係る返金措置の結果について、当該認定実施予定返金措置計画に記載されている同条第二項第一号に規定する実施期間の経過後一週間以内に、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣に報告しなければならない。
2 内閣総理大臣は、第八条第一項の場合において、前項の規定による報告に基づき、前条第一項の認定後に実施された返金措置が認定実施予定返金措置計画に適合して実施されたと認めるときは、当該返金措置(当該認定実施予定返金措置計画に同条第三項に規定する事項が記載されている場合又は同条第四項の規定による報告がされている場合にあつては、当該記載又は報告に係る返金措置を含む。)において交付された金銭の額として内閣府令で定めるところにより計算した額を第八条第一項又は第九条の規定により計算した課徴金の額から減額するものとする。この場合において、当該内閣府令で定めるところにより計算した額を当該課徴金の額から減額した額が零を下回るときは、当該額は、零とする。
3 内閣総理大臣は、前項の規定により計算した課徴金の額が一万円未満となつたときは、第八条第一項の規定にかかわらず、認定事業者に対し、課徴金の納付を命じないものとする。この場合において、内閣総理大臣は、速やかに、当該認定事業者に対し、文書をもつてその旨を通知するものとする。

(課徴金の納付義務等)
第十二条 課徴金納付命令を受けた者は、第八条第一項、第九条又は前条第二項の規定により計算した課徴金を納付しなければならない。
2 第八条第一項、第九条又は前条第二項の規定により計算した課徴金の額に一万円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。
3 課徴金対象行為をした事業者が法人である場合において、当該法人が合併により消滅したときは、当該法人がした課徴金対象行為は、合併後存続し、又は合併により設立された法人がした課徴金対象行為とみなして、第八条から前条まで並びに前二項及び次項の規定を適用する。
4 課徴金対象行為をした事業者が法人である場合において、当該法人が当該課徴金対象行為に係る事案について報告徴収等(第二十九条第一項の規定による報告の徴収、帳簿書類その他の物件の提出の命令、立入検査又は質問をいう。以下この項において同じ。)が最初に行われた日(当該報告徴収等が行われなかつたときは、当該法人が当該課徴金対象行為について第十五条第一項の規定による通知を受けた日。以下この項において「調査開始日」という。)以後においてその一若しくは二以上の子会社等(事業者の子会社若しくは親会社(会社を子会社とする他の会社をいう。以下この項において同じ。)又は当該事業者と親会社が同一である他の会社をいう。以下この項において同じ。)に対して当該課徴金対象行為に係る事業の全部を譲渡し、又は当該法人(会社に限る。)が当該課徴金対象行為に係る事案についての調査開始日以後においてその一若しくは二以上の子会社等に対して分割により当該課徴金対象行為に係る事業の全部を承継させ、かつ、合併以外の事由により消滅したときは、当該法人がした課徴金対象行為は、当該事業の全部若しくは一部を譲り受け、又は分割により当該事業の全部若しくは一部を承継した子会社等(以下この項において「特定事業承継子会社等」という。)がした課徴金対象行為とみなして、第八条から前条まで及び前三項の規定を適用する。この場合において、当該特定事業承継子会社等が二以上あるときは、第八条第一項中「当該事業者に対し」とあるのは「特定事業承継子会社等(第十二条第四項に規定する特定事業承継子会社等をいう。以下この項において同じ。)に対し、この項の規定による命令を受けた他の特定事業承継子会社等と連帯して」と、第一項中「受けた者は、第八条第一項」とあるのは「受けた特定事業承継子会社等(第四項に規定する特定事業承継子会社等をいう。以下この項において同じ。)は、第八条第一項の規定による命令を受けた他の特定事業承継子会社等と連帯して、同項」とする。
5 前項に規定する「子会社」とは、会社がその総株主(総社員を含む。以下この項において同じ。)の議決権(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百七十九条第三項の規定により議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を含む。以下この項において同じ。)の過半数を有する他の会社をいう。この場合において、会社及びその一若しくは二以上の子会社又は会社の一若しくは二以上の子会社がその総株主の議決権の過半数を有する他の会社は、当該会社の子会社とみなす。
6 第三項及び第四項の場合において、第八条第二項及び第三項並びに第九条から前条までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
7 課徴金対象行為をやめた日から五年を経過したときは、内閣総理大臣は、当該課徴金対象行為に係る課徴金の納付を命ずることができない。

(課徴金納付命令に対する弁明の機会の付与)
第十三条 内閣総理大臣は、課徴金納付命令をしようとするときは、当該課徴金納付命令の名宛人となるべき者に対し、弁明の機会を与えなければならない。

(弁明の機会の付与の方式)
第十四条 弁明は、内閣総理大臣が口頭ですることを認めたときを除き、弁明を記載した書面(次条第一項において「弁明書」という。)を提出してするものとする。
2 弁明をするときは、証拠書類又は証拠物を提出することができる。

(弁明の機会の付与の通知の方式)
第十五条 内閣総理大臣は、弁明書の提出期限(口頭による弁明の機会の付与を行う場合には、その日時)までに相当な期間をおいて、課徴金納付命令の名宛人となるべき者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。
一 納付を命じようとする課徴金の額
二 課徴金の計算の基礎及び当該課徴金に係る課徴金対象行為
三 弁明書の提出先及び提出期限(口頭による弁明の機会の付与を行う場合には、その旨並びに出頭すべき日時及び場所)
2 内閣総理大臣は、課徴金納付命令の名宛人となるべき者の所在が判明しない場合においては、前項の規定による通知を、その者の氏名(法人にあつては、その名称及び代表者の氏名)、同項第三号に掲げる事項及び内閣総理大臣が同項各号に掲げる事項を記載した書面をいつでもその者に交付する旨を消費者庁の事務所の掲示場に掲示することによつて行うことができる。この場合においては、掲示を始めた日から二週間を経過したときに、当該通知がその者に到達したものとみなす。

(代理人)
第十六条 前条第一項の規定による通知を受けた者(同条第二項後段の規定により当該通知が到達したものとみなされる者を含む。次項及び第四項において「当事者」という。)は、代理人を選任することができる。
2 代理人は、各自、当事者のために、弁明に関する一切の行為をすることができる。
3 代理人の資格は、書面で証明しなければならない。
4 代理人がその資格を失つたときは、当該代理人を選任した当事者は、書面でその旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。

(課徴金納付命令の方式等)
第十七条 課徴金納付命令は、文書によつて行い、課徴金納付命令書には、納付すべき課徴金の額、課徴金の計算の基礎及び当該課徴金に係る課徴金対象行為並びに納期限を記載しなければならない。
2 課徴金納付命令は、その名宛人に課徴金納付命令書の謄本を送達することによつて、その効力を生ずる。
3 第一項の課徴金の納期限は、課徴金納付命令書の謄本を発する日から七月を経過した日とする。

(納付の督促)
第十八条 内閣総理大臣は、課徴金をその納期限までに納付しない者があるときは、督促状により期限を指定してその納付を督促しなければならない。
2 内閣総理大臣は、前項の規定による督促をしたときは、その督促に係る課徴金の額につき年十四・五パーセントの割合で、納期限の翌日からその納付の日までの日数により計算した延滞金を徴収することができる。ただし、延滞金の額が千円未満であるときは、この限りでない。
3 前項の規定により計算した延滞金の額に百円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。

(課徴金納付命令の執行)
第十九条 前条第一項の規定により督促を受けた者がその指定する期限までにその納付すべき金額を納付しないときは、内閣総理大臣の命令で、課徴金納付命令を執行する。この命令は、執行力のある債務名義と同一の効力を有する。
2 課徴金納付命令の執行は、民事執行法(昭和五十四年法律第四号)その他強制執行の手続に関する法令の規定に従つてする。
3 内閣総理大臣は、課徴金納付命令の執行に関して必要があると認めるときは、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。

(課徴金等の請求権)
第二十条 破産法(平成十六年法律第七十五号)、民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)、会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成八年法律第九十五号)の規定の適用については、課徴金納付命令に係る課徴金の請求権及び第十八条第二項の規定による延滞金の請求権は、過料の請求権とみなす。

(送達書類)
第二十一条 送達すべき書類は、この節に規定するもののほか、内閣府令で定める。

(送達に関する民事訴訟法の準用)
第二十二条 書類の送達については、民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第九十九条、第百一条、第百三条、第百五条、第百六条、第百八条及び第百九条の規定を準用する。この場合において、同法第九十九条第一項中「執行官」とあるのは「消費者庁の職員」と、同法第百八条中「裁判長」とあり、及び同法第百九条中「裁判所」とあるのは「内閣総理大臣」と読み替えるものとする。

(公示送達)
第二十三条 内閣総理大臣は、次に掲げる場合には、公示送達をすることができる。
一 送達を受けるべき者の住所、居所その他送達をすべき場所が知れない場合
二 外国においてすべき送達について、前条において準用する民事訴訟法第百八条の規定によることができず、又はこれによつても送達をすることができないと認めるべき場合
三 前条において準用する民事訴訟法第百八条の規定により外国の管轄官庁に嘱託を発した後六月を経過してもその送達を証する書面の送付がない場合
2 公示送達は、送達すべき書類を送達を受けるべき者にいつでも交付すべき旨を消費者庁の事務所の掲示場に掲示することにより行う。
3 公示送達は、前項の規定による掲示を始めた日から二週間を経過することによつて、その効力を生ずる。
4 外国においてすべき送達についてした公示送達にあつては、前項の期間は、六週間とする。

(電子情報処理組織の使用)
第二十四条 行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成十四年法律第百五十一号)第二条第七号に規定する処分通知等であつて、この節又は内閣府令の規定により書類の送達により行うこととしているものについては、同法第四条第一項の規定にかかわらず、当該処分通知等の相手方が送達を受ける旨の内閣府令で定める方式による表示をしないときは、電子情報処理組織(同項に規定する電子情報処理組織をいう。次項において同じ。)を使用して行うことができない。
2 消費者庁の職員が前項に規定する処分通知等に関する事務を電子情報処理組織を使用して行つたときは、第二十二条において準用する民事訴訟法第百九条の規定による送達に関する事項を記載した書面の作成及び提出に代えて、当該事項を電子情報処理組織を使用して消費者庁の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。)に備えられたファイルに記録しなければならない。

(行政手続法の適用除外)
第二十五条 内閣総理大臣がする課徴金納付命令その他のこの節の規定による処分については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第三章の規定は、適用しない。ただし、第十条第八項の規定に係る同法第十二条及び第十四条の規定の適用については、この限りでない。

 第四節 景品類の提供及び表示の管理上の措置

(事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置)
第二十六条〔十一月改正前第七条〕 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、景品類の提供又は表示により不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害することのないよう、景品類の価額の最高額、総額その他の景品類の提供に関する事項及び商品又は役務の品質、規格その他の内容に係る表示に関する事項を適正に管理するために必要な体制の整備その他の必要な措置を講じなければならない。
2 内閣総理大臣は、前項の規定に基づき事業者が講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針(以下この条において単に「指針」という。)を定めるものとする。
3 内閣総理大臣は、指針を定めようとするときは、あらかじめ、事業者の事業を所管する大臣及び公正取引委員会に協議するとともに、消費者委員会の意見を聴かなければならない。
4 内閣総理大臣は、指針を定めたときは、遅滞なく、これを公表するものとする。
5 前二項の規定は、指針の変更について準用する。

(指導及び助言)
第二十七条〔十一月改正前第八条〕 内閣総理大臣は、前条第一項の規定に基づき事業者が講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るため必要があると認めるときは、当該事業者に対し、その措置について必要な指導及び助言をすることができる。

(勧告及び公表)
第二十八条〔十一月改正前第八条の二〕 内閣総理大臣は、事業者が正当な理由がなくて第二十六条第一項の規定に基づき事業者が講ずべき措置を講じていないと認めるときは、当該事業者に対し、景品類の提供又は表示の管理上必要な措置を講ずべき旨の勧告をすることができる。
2 内閣総理大臣は、前項の規定による勧告を行つた場合において当該事業者がその勧告に従わないときは、その旨を公表することができる。

 第五節 報告の徴収及び立入検査等

第二十九条〔十一月改正前第九条〕 内閣総理大臣は、第七条第一項の規定による命令、課徴金納付命令又は前条第一項の規定による勧告を行うため必要があると認めるときは、当該事業者若しくはその者とその事業に関して関係のある事業者に対し、その業務若しくは財産に関して報告をさせ、若しくは帳簿書類その他の物件の提出を命じ、又はその職員に、当該事業者若しくはその者とその事業に関して関係のある事業者の事務所、事業所その他その事業を行う場所に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2〔六月改正前3〕 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3〔六月改正前4〕 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

第三章 適格消費者団体の差止請求権等

第三十条〔十一月改正前第十条〕 消費者契約法(平成十二年法律第六十一号)第二条第四項に規定する適格消費者団体(以下この条及び第四十一条において単に「適格消費者団体」という。)は、事業者が、不特定かつ多数の一般消費者に対して次の各号に掲げる行為を現に行い又は行うおそれがあるときは、当該事業者に対し、当該行為の停止若しくは予防又は当該行為が当該各号に規定する表示をしたものである旨の周知その他の当該行為の停止若しくは予防に必要な措置をとることを請求することができる。
一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると誤認される表示をすること。
二 商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると誤認される表示をすること。
2 消費者安全法(平成二十一年法律第五十号)第十一条の七第一項に規定する消費生活協力団体及び消費生活協力員は、事業者が不特定かつ多数の一般消費者に対して前項各号に掲げる行為を現に行い又は行うおそれがある旨の情報を得たときは、適格消費者団体が同項の規定による請求をする権利を適切に行使するために必要な限度において、当該適格消費者団体に対し、当該情報を提供することができる。
3 前項の規定により情報の提供を受けた適格消費者団体は、当該情報を第一項の規定による請求をする権利の適切な行使の用に供する目的以外の目的のために利用し、又は提供してはならない。
〔六月改正法による本条の改正は六月改正法の公布日から二年以内の日から施行される(六月改正法附則第一条第二号)。〕

第四章 協定又は規約

(協定又は規約)
第三十一条〔十一月改正前第十一条〕 事業者又は事業者団体は、内閣府令で定めるところにより、景品類又は表示に関する事項について、内閣総理大臣及び公正取引委員会の認定を受けて、不当な顧客の誘引を防止し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択及び事業者間の公正な競争を確保するための協定又は規約を締結し、又は設定することができる。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 内閣総理大臣及び公正取引委員会は、前項の協定又は規約が次の各号のいずれにも適合すると認める場合でなければ、同項の認定をしてはならない。
一 不当な顧客の誘引を防止し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択及び事業者間の公正な競争を確保するために適切なものであること。
二 一般消費者及び関連事業者の利益を不当に害するおそれがないこと。
三 不当に差別的でないこと。
四 当該協定若しくは規約に参加し、又は当該協定若しくは規約から脱退することを不当に制限しないこと。
3 内閣総理大臣及び公正取引委員会は、第一項の認定を受けた協定又は規約が前項各号のいずれかに適合するものでなくなつたと認めるときは、当該認定を取り消さなければならない。
4 内閣総理大臣及び公正取引委員会は、第一項又は前項の規定による処分をしたときは、内閣府令で定めるところにより、告示しなければならない。
5 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)第七条第一項及び第二項(同法第八条の二第二項及び第二十条第二項において準用する場合を含む。)、第八条の二第一項及び第三項、第二十条第一項、第七十条の四第一項並びに第七十四条の規定は、第一項の認定を受けた協定又は規約及びこれらに基づいてする事業者又は事業者団体の行為には、適用しない。
〔第五項の改正は独禁法改正法(平成二十五年法律第百号)による。〕

(協議)
第三十二条 内閣総理大臣は、前条第一項及び第四項に規定する内閣府令を定めようとするときは、あらかじめ、公正取引委員会に協議しなければならない。

第五章 雑則

(権限の委任等)
第三十三条〔十一月改正前第十二条〕 内閣総理大臣は、この法律による権限(政令で定めるものを除く。)を消費者庁長官に委任する。
2 消費者庁長官は、政令で定めるところにより、前項の規定により委任された権限の一部を公正取引委員会に委任することができる。
3 消費者庁長官は、緊急かつ重点的に不当な景品類及び表示に対処する必要があることその他の政令で定める事情があるため、事業者に対し、第七条第一項の規定による命令、課徴金納付命令又は第二十八条第一項の規定による勧告を効果的に行う上で必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、第一項の規定により委任された権限(第二十九条第一項の規定による権限に限る。)を当該事業者の事業を所管する大臣又は金融庁長官に委任することができる。
4〔六月改正前3〕 公正取引委員会、事業者の事業を所管する大臣又は金融庁長官は、前二項の規定により委任された権限を行使したときは、政令で定めるところにより、その結果について消費者庁長官に報告するものとする。
5 事業者の事業を所管する大臣は、政令で定めるところにより、第三項の規定により委任された権限及び前項の規定による権限について、その全部又は一部を地方支分部局の長に委任することができる。
6 金融庁長官は、政令で定めるところにより、第三項の規定により委任された権限及び第四項の規定による権限(次項において「金融庁長官権限」と総称する。)について、その一部を証券取引等監視委員会に委任することができる。
7 金融庁長官は、政令で定めるところにより、金融庁長官権限(前項の規定により証券取引等監視委員会に委任されたものを除く。)の一部を財務局長又は財務支局長に委任することができる。
8 証券取引等監視委員会は、政令で定めるところにより、第六項の規定により委任された権限の一部を財務局長又は財務支局長に委任することができる。
9 前項の規定により財務局長又は財務支局長に委任された権限に係る事務に関しては、証券取引等監視委員会が財務局長又は財務支局長を指揮監督する。
10 第六項の場合において、証券取引等監視委員会が行う報告又は物件の提出の命令(第八項の規定により財務局長又は財務支局長が行う場合を含む。)についての審査請求は、証券取引等監視委員会に対してのみ行うことができる。
11 第一項の規定により消費者庁長官に委任された権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、都道府県知事が行うこととすることができる。
〔第十項には行政不服審査法整備法(平成二十六年法律第六十九号)による改正も溶け込ませている。〕

(内閣府令への委任等)
第三十四条〔十一月改正前第十三条〕 この法律に定めるもののほか、この法律を実施するため必要な事項は、内閣府令で定める。
2 第三十二条の規定は、内閣総理大臣が前項に規定する内閣府令(第三十一条第一項の協定又は規約について定めるものに限る。)を定めようとする場合について準用する。

(関係者相互の連携)
第三十五条〔十一月改正前第十五条〕 内閣総理大臣、関係行政機関の長(当該行政機関が合議制の機関である場合にあつては、当該行政機関)、関係地方公共団体の長、独立行政法人国民生活センターの長その他の関係者は、不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止して一般消費者の利益を保護するため、必要な情報交換を行うことその他相互の密接な連携の確保に努めるものとする。

第六章 罰則

第三十六条〔十一月改正前第十六条・六月改正前第十五条〕 第七条第一項の規定による命令に違反した者は、二年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
2 前項の罪を犯した者には、情状により、懲役及び罰金を併科することができる。

第三十七条〔十一月改正前第十七条・六月改正前第十六条〕 第二十九条第一項の規定による報告若しくは物件の提出をせず、若しくは虚偽の報告若しくは虚偽の物件の提出をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者は、一年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。

第三十八条〔十一月改正前第十八条〕 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関して、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、当該各号に定める罰金刑を科する。
一 第三十六条第一項 三億円以下の罰金刑
二 前条 同条の罰金刑
2 法人でない団体の代表者、管理人、代理人、使用人その他の従業者がその団体の業務又は財産に関して、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その団体に対しても、当該各号に定める罰金刑を科する。
一 第三十六条第一項 三億円以下の罰金刑
二 前条 同条の罰金刑
3 前項の場合においては、代表者又は管理人が、その訴訟行為につきその団体を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の訴訟行為に関する刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の規定を準用する。

第三十九条〔十一月改正前第十九条〕 第三十六条第一項の違反があつた場合においては、その違反の計画を知り、その防止に必要な措置を講ぜず、又はその違反行為を知り、その是正に必要な措置を講じなかつた当該法人(当該法人で事業者団体に該当するものを除く。)の代表者に対しても、同項の罰金刑を科する。

第四十条〔十一月改正前第二十条〕 第三十六条第一項の違反があつた場合においては、その違反の計画を知り、その防止に必要な措置を講ぜず、又はその違反行為を知り、その是正に必要な措置を講じなかつた当該事業者団体の理事その他の役員若しくは管理人又はその構成事業者(事業者の利益のためにする行為を行う役員、従業員、代理人その他の者が構成事業者である場合には、当該事業者を含む。)に対しても、それぞれ同項の罰金刑を科する。
2 前項の規定は、同項に規定する事業者団体の理事その他の役員若しくは管理人又はその構成事業者が法人その他の団体である場合においては、当該団体の理事その他の役員又は管理人に、これを適用する。

第四十一条〔十一月改正前第二十一条〕 第三十条第三項の規定に違反して、情報を同項に定める目的以外の目的のために利用し、又は提供した適格消費者団体は、三十万円以下の過料に処する。
〔六月改正法による第二十一条の新設は六月改正法の公布日から二年以内の日から施行される(六月改正法附則第一条第二号)。〕



〔附則・改正附則は略〕

  SHIRAISHI Tadashi